サラリーマン時代に、香港に単身赴任の金融機関の方が日本のマンションを売却したいと相談があり、販売活動をしていたことがあります。
マンションには奥さんが居住しており、連絡は奥さんを通してやり取りをしていました。
査定をして金額をお伝えして、了解を頂いて、さっそく売り出しを開始しようと安易に考えていました。
海外居住の売主さんの物件を売却するのは、これが初めてで何もわかっていなくて、すぐに支店長に詰められたことを覚えています。

【在留証明と署名証明】
「石田、海外居住が不動産を売却して移転登記するときのやり方わかっているのか?」
「いいえ、初めてです。」
てっきり、普通の取引のように売渡し証書と印鑑証明・住民票を奥さんに用意してもらっておけばいいと、思いこんでいたのです。
すぐに司法書士の先生に連絡して、所有権移転時の必要書類を確認し教えてもらいました。
結果、『在留証明と署名証明』が移転時に必要だと言うことがわかりました。
初めて耳にする単語です。
簡単に解説すると、
『在留証明』:日本から外国に住所を移しているので、日本の住民票が上がりません。なので、現地の大使館とか領事館に行ってどこに住んでいるか証明書を発行してもらいます。住民票の代わりになるものです。
『署名証明』:サイン証明と当時は言っていました。これは申請者の署名(及び拇印)が確かに領事の面前でなされたことを証明するものです。つまり印鑑証明の代わりとなるものです。
【まとめ】
このように海外居住者の不動産を売却する場合は、事前に在留証明と署名証明を取って送ってもらい、司法書士さんに確認しておいた方がいいですね。
登記簿の住所と在留証明の住所がつながらない場合は、戸籍の附票や上申書も必要です。
売主さんが頻繁に日本に帰って来れるわけではないので、契約前から準備しておかないといけません。
書類の一つのミスで、飛行機で往復しないといけないなんて、最悪ですから。
決済までの段取りを、一つ一つ細かくシートに記入して管理したほうがいいです。
以上、TOBでファミマと大戸屋の株を持っている人が羨ましい、ダイヤモンド石田敦也でした。