宅建の試験勉強で一番最初に、覚えたのがこの『諾成契約』です。
『諾成契約』とは、当事者の合意の意思表示で契約が成立することです。
特に、書面にしろとか、署名や捺印が必要だとかの決まりはありません。
『このマンション、3000万で売って!』
『いいよ!その代り後で文句言うなよ!』
これで、双方合意すれば、契約は有効です。
不動産の売買契約も賃貸借契約も、民法上は、この諾成契約です。なので、契約書や署名がなくてもいいと言えば良いです。
実務で、こんないい加減な契約をすると、「雨漏りがしてるじゃねーか!」とか「隣の家の塀が飛び出ているじゃないか!」とかいろいろなトラブルが出てきて裁判が多くなってしまいます。
なので、細かく文章にして契約書を交わします。
あと、民民の直契約とは違い、不動産業者が仲介する場合は法令で定められた書面(契約書・重要事項説明書)を交付し僕ら宅地建物取引士が記名押印する決まりがあります。
ここで、政府が民民・官民の契約書の押印について、初めて見解をしめしてくれました。

【契約書で押印は必ずしも必要ない】
『政府は2020年6月19日に、民民・官民の契約書に必ずしも押印は必要ない。』と見解をしめしました。(宅地建物取引士は押さないといけません。)
契約書だけでなく、その他の書類にまで印鑑をつく習慣が多く、出勤の頻度を減らし在宅ワークをどんどん進めたいのでしょうね。
今どき、3Dプリンターで印鑑なんかいくらでも偽造できるので、意味ないですよね。
デジタル後進国の我が国も、一気に改革の方に舵をきってほしいです。
不動産鑑定士さんがこの間言っていましたが、裁判所はいまでにメールでのやり取りが出来ず、FAXで書類のやり取りをしているそうです。これも早く何とかしないといけませんね。

【書類と取引の電子化】
これを機会に、官民ともに書類と取引の電子化を進めてほしいですね。
契約書を郵便や宅配便で送るのは、そろそろやめた方が良いと思うのですが、
ガソリンもったいないですよね。人手不足だし。
電子契約書に電子署名、それと不動産登記ブロックチェーンの実用を早く実現して欲しいと思います。
以上、ダイヤモンド石田敦也でした。